【カーラチャクラタントラ】や【無垢光明】に説かれる伝説の国シャンバラについて、トゥケンは【宗教源流史】の中の「シャンバラ国における教義伝承」の章に於いてこのように述べている。シャンバラとは、釈迦族のシャンバ(カ)と称するものに由来し、このように呼ばれるようになった。また、シャンバラとは、大楽の源(shambhu・シャンブ)を意味するとせられる。
シャンバラ国は、円形の周囲を雪山に囲まれ、内部は八葉蓮華の形をし、葉の形の間は河によって区切られている。中央には花心のような大雪山が聳えている。それぞれの蓮華葉の内部に十二倶底の宮殿が遍く存在する九十六倶底の王国がある。その一王国にそれぞれ百洛叉づつ藩があり、支配者である王とそれぞれの藩主がいる。シャンバラ国の中央に雪山によって区切られた四つの洲がある。それらをつなぐ道の中央にカーラパの城都と、その南方にマラヤの遊苑にスチャンドラ王によって建立されたローサンチェンポ、東に湖、西に百蓮華の海、北に諸王とクリカたちの住まいが集まっている。その支配者の最初の王はニマオーといわれている。次に七人の王と二十五人のクリカたちが続くのである。
2000/4/1記続く
=シャンバラ王=
=クリカ=